「あわ夢まつり」~誕生から現在まで~ 記録 松苗禮子
⒈ きっかけは「ちば県人形劇まつり」 |
1996年 ・千葉県南総文化ホール開館
この立派なホールを子ども達の喜ぶ行事に使いたい
→・教育委員会生涯学習課の課長の強い思い
・実際に方々のイベントに足を運び、たまたま第4回「ちば県人形劇まつり」(市原市会場)を訪れる。観客として感動し、「これだ!」と強く思う。 早速、県の人形劇の役員たちを説得し、「鋸山の向こうに、行くのも良い」との同意をもらい、「第5回を館山会場で」が決まる。
・ところが、人形劇関係者と地元受け入れ側との第1回顔合わせは失敗に終わったらしい。市のサークルの代表者が「行政が引っ張った行事なんて、価値が無い。協力する必要は無い」と言い出し、皆も同調した。課長の面目丸つぶれであったそうだ。
・17年間館山聾学校に勤務し、外部と接触の無かった松苗が、「会議に来てほしい」頼まれる。事前の説明が無く、初めての会議と思っての参加だったが、聞いているうちに事情が読めた。やり取りの一部始終を黙って聞いた後、「行政が引っ張ろうが、誰が引っ張ろうが、良いものは良い。私はやります。」と発言する。会議が終わると、黙っていた人たちが、松苗の周りに集まって来て「手伝います」と言い始めた。これが、「あわ夢」のスタートである。
1997年 プレ企画実施…県人形劇委員会の指導(一年がかりで人形劇の基礎を学ぶ)
★人形劇関係の講座
★人形劇の歴史
★ワークショップ
★地元劇団の旗揚げ(現「あわの実」)
1998年 『第5回ちば県人形劇まつりinたてやま』開催
結果! 2,000人の観客の入りで大成功!
実行委員会のメンバーは、充実感・達成感に酔う
↓
自分達の力に驚く
⒉「あわ夢まつり」の誕生! 自分達の力で頑張ろう! |
1999年 第1回「あわ夢まつり」 開催
・会場 千葉県南総文化ホール
・方法 「ちば県人形劇まつり」を踏襲 ★入場券はワッペン
(300円売り・公募デザイン)
・目標 ①地元の優れた文化の掘り起こし
②さまざまなジャンルからの選択
③子どもたちへの優れた文化の伝達
・構成
①ステージ発表 (小ホール300人・大会議室100人の観客収容)
②ホワイエブース 子どもたちと障害者とのふれあいを目標に
・障害者の作業所製品販売コーナー
・館山市PRコーナー
③託児(小会議室)………母親支援
④公募のボランティア50人~100人 障害のある若者も支える力に
・プログラムめくり
・大道具、小道具担当
・連絡係担当
★出演団体の増加から 大ホール使用へ
・2001年 第3回より前日、当日の2日間 全館貸し切りに
ホールへの支払い金額 800,000円を超える
・2003年 第5回より市の事業形態が変わる
委託方式→補助方式
館山市主催→市との共催に
⒊ 継続の危機―補助金の削減 第1の危機 |
・資金難→自己資金を稼ぎ出そう! ⓵不用品を集めてのバザー
②ワンコイン興業
会場;幸田旅館大広間(演奏・語り・腹話術)
結果;頑張ったが、収入としては、いくらにもならないのが判明
・「プログラムに広告を入れたら?」の提案
広告取りに踏み切る条件
1)Á4紙を8等分し、1マスを2,000円
2)商店・企業・病院等趣旨に賛成ならOK
3)手順 ①週間前に完成してスポンサーに届ける
②お礼としてワッペンを1枚差し上げる
③当日、ホール正面に、前頁を拡大して貼る
④演技の合間に司会者が、公告を紹介する。
結果;広告が集まり、評判も良い
・「ワッペンの特典を増やそう!」の提案
既に、館山市立博物館では、8月末日まで入館無料の特典を実施
館山市 「南房パラダイス」
鋸南町 「菱川師宣記念館」
南房総市 「シエークスピア・カントリーパーク」
施設から、8月末まで「入場・入館無料」可の申し出であり→4つの特典に
★これに関しては行政に繋がる実行委員の尽力が大きい。例;大人800円=無料
⒋不況による「ワッペン特典取り消しの危機」 第2の危機 |
「南房パラダイス」「シェークスピア・カントリーパーク」が指定管理者に
⒌幸運の女神現る……まだまだ開拓できる! |
★ワッペン特典の増加 ・館山市立博物館
・鋸南町「菱川師宣記念館」
新規に ・赤山地下壕
・金成竜氏の3事業所
学習・観光・レジャー等の魅力あるスポットとしてPR
「6つの特典ありで、1,500枚のワッペンは完売!!
★特典の効果 事業所側・今までとは違う客層の来場・入場が見られた
・利用率が上がり、利益につながった
★第16回ではワッペンの有効期間が延長 館山市=12/28迄
金成竜氏-翌年の前日迄
⒍情報網の拡大と地域密着の姿勢の保持 |
★第17回のワッペン特典に2団体が加わる(8月末まで利用可)
①鴨川シーワールド 入園料金特割 大人2,800円
(1枚で5人まで可) 小人1,000円
②「千里の風」プールの無料開放
★第18回もワッペン特典参加団体は6団体。同じ内容で継続
★具体的な努力点
⓵演目内容の質の向上・マンネリ化の防止→実行委員の努力
東京のイベントに参加
人脈作り ……… 関西・東京・横浜の人と知り合い、出演を依頼
「わたぐも」さんの例
翌日市教委主催の「出前」として地元幼稚園保育園に派遣
②みんなで考え・前向きに検討→良いアイデアを尊重して採用
③絶えず新しい仲間を増やして行く→地元で買い物→味方を増やす
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- 温かい絆の醸成 ★実行委員会の強化
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7.新たな出発を目指して |
こうして第21回まで進んできた「あわ夢まつり」ですが、
目まぐるしい時代の変化にふさわしい運営の仕方を考えることが
必要になって来ました。
第22回(2020年)からは、
★「あわ夢まつり」のWebページを作りました。
★形をシンプルにして、事務的な仕事を出来るだけ簡素化しました。
⓵ワッペン廃止……誰でも、無料で参加できます。
②プログラム冊子は作らない。プログラムは1枚だけ。
③広告取り無し。賛助金は、別の方法で募りました。
8.新型コロナウイルスの影響
『第22回あわ夢まつり』『第23回あわ夢まつり』は新型コロナの影響により通常開催の中止を余儀なくされ、オンラインによる開催となりました。しかしそれはまた地元県南地域だけでなく、広く『あわ夢まつり』を認知して頂ける機会となりました。
第22回あわ夢まつりオンラインはこちらから https://youtu.be/A0872GOkMX8
第23回あわ夢まつりオンラインはこちらから https://youtu.be/H2bLOWBxCmA
そして2022年『第24回あわ夢まつり』は3年振りに会場に観客の皆様をお迎えしての開催となりましたが、新型コロナウィルスの影響は終息せず会場は大ホールのみとなりました。それでも、ご来場のお客様、出演者、スタッフ一同大変うれしい「まつり」となりました。
2023年『第25回あわ夢まつり』は千葉県南総文化ホール大ホールに観客の皆様を迎えての開催となりました。感染対策に気を配り、生の舞台を皆様にご覧頂くことができました。
『あわ夢まつり』実行委員長 松苗禮子